FIELD NOTE自然・絶景高梁市

穴小屋洞窟 ― 岩の裂け目をくぐる、羽山渓の手掘りトンネル

巨岩の裂け目を車が通り抜ける、大正8年開通の手掘りトンネル。羽山渓の石灰岩洞窟「穴小屋」と、珍百景にも登場した奇景です。

穴小屋洞窟 ― 岩の裂け目をくぐる、羽山渓の手掘りトンネル

岩の裂け目をくぐる手掘りトンネル

岡山県道300号線の羽山第2トンネル(高梁市成羽町羽山)には、一見して岩の裂け目のような入口の手掘りトンネルがあります。洞窟のようにも、岩場の裂け目のようにも見えるトンネルですが、車の通行が可能で、バスも通行していたそうです。周辺は羽山渓(はやまけい)という石灰岩質の渓谷で、切り立った岩場の下に長さ30mほどのトンネルが貫いています。トンネルが開通したのは1919(大正8)年。車幅は1台分しかなく、対向車と譲り合う場所が途中にあるため、運転には注意が必要です。外灯もないため、昼でも薄暗く、夜は通行を避けたほうがよさそうです。

羽山渓と石灰岩の洞窟「棲龍洞」

羽山渓は島木川が石灰岩の大地を削って造った2kmに及ぶ渓谷で、高梁川上流県立自然公園に指定されています。渓谷の上流には、龍がすんでいて昇天したと伝えられる天龍ヶ渕や、絶壁にかかる不動の滝などがあり、近くには石灰岩の洞窟である棲龍洞(穴小屋)があります(環境省・岡山県設置の説明板より)。棲龍洞は入口から20mほど入ったところに「槍立場」と呼ばれる場所があり、水晶殿のように美しく、夏には涼を求めて多くの人が訪れます。

岩の裂け目のトンネルの写真岩の裂け目のトンネルの写真
巨岩の一部がそのまま道路になった、珍しい光景。
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洞窟探検の注意点

トンネル付近にある穴小屋(棲龍洞)は入り口が狭く、背の低い入り口を20mほどしゃがんで進むと天井が高くなってきます。コウモリも生息しているため、苦手な方は注意が必要です。中は迷路のようになっており、一部を除いて照明のない未整備の鍾乳洞のため、観光気分で気軽に立ち寄ると怪我をすることもあります。足元も滑りやすいので、運動靴と懐中電灯を用意してから訪れるのがおすすめです。周辺の切り立った岩場はロッククライミングのスポットにもなっているそうですが、湿った岩肌は滑りやすく、危険が伴います。

休憩小屋には「ナニコレ珍百景」に登録されたことを示す看板もあり、以前テレビでも紹介されたことがある場所です。この道の北側には、銅山とベンガラの産地として栄えた吹屋があり、河川搬送から陸路輸送への流れの中で、道路の整備が進んでいったと考えられています。

巨岩の一部がそのまま道路になった、岡山でも珍しい光景。テレビ「ナニコレ珍百景」にも登場しました。

よくある質問(FAQ)

Q. 羽山渓の手掘りトンネルは車で通れますか?
A. 通行は可能ですが、車幅は1台分で照明もなく、途中の退避場所で対向車と譲り合う必要があります。昼でも薄暗いため、運転には十分注意してください。
Q. 場所(所在地)はどこですか?
A. 岡山県高梁市成羽町羽山。県道300号線の「羽山第2トンネル」が、その手掘りトンネルです。
Q. 洞窟(棲龍洞・穴小屋)の中に入れますか?
A. 入れますが、照明のない未整備の鍾乳洞です。入口は狭く、コウモリも生息し、足元も滑りやすいため、運動靴と懐中電灯を用意し、無理のない範囲でお楽しみください。
Q. 料金や駐車場はありますか?
A. 見学は無料です。駐車は、洞口先の退避スペースに10台程度が目安です。
土地から読む 羽山渓の裂け目も、奥の鍾乳洞「棲龍洞」も、もとは石灰岩の大地を水が長い時間をかけて削り・溶かしてできたものです。岡山県北〜県西にはこうした石灰岩(カルスト)が広がり、井倉洞や満奇洞といった鍾乳洞もその仲間。この奇景を「点」でなく「大地の履歴」として読むと、岡山の大地の物語につながります。

情報確認:2026年8月 ※洞内・トンネルの状況は変わることがあります。運動靴・懐中電灯を用意し、無理のない範囲でお楽しみください。

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文責:おかラボ編集部(岡山在住・家族で県内各地を歩いて記録しています) このサイトについて →