まず事実から。直近の国勢調査(令和2年・2020年)を、5年前(2015年)と比べると、県内で人口が増えた市町村は、じつは4つだけでした。残る市町村は、程度の差こそあれ減少しています。
| 人口が増えた市町 | 2020年人口 | 5年間の増減 |
|---|---|---|
| 総社市 | 69,030 人 | +3.3% |
| 早島町 | 12,368 人 | +1.8% |
| 岡山市 | 724,691 人 | +0.7% |
| 里庄町 | 10,950 人 | +0.2% |
いっぽう、減少が大きいのは、美咲町(−9.6%)、高梁市(−9.4%)、吉備中央町・笠岡市(−8.9%)、新見市(−8.4%)…と、中国山地に近い市町村が並びます。ここに、はっきりとした傾向が見えてきます。
なぜ、増える町は増えるのか
増えた4つに共通するのは、すべて県南の、都市または都市の近郊だということです。とりわけ伸びが大きい総社市は、岡山市と倉敷市という二つの都市の"あいだ"にあり、どちらへも通勤・通学しやすい立地。住宅地の整備や子育て世代の流入が、人口を押し上げています。早島町は県内でも指折りの小さな町ですが、高速道路の結節点で交通至便。里庄町も瀬戸内の温暖な平地にコンパクトに暮らしが集まります。「仕事・買い物・通勤圏へのアクセス」が、人を引きとめる鍵になっているのです。
なぜ、山あいの町は減るのか
反対に、中山間地の市町村では、若い世代が進学や就職で都市へ出ていきます。山あいの地形は、暮らしの便利さの面ではハンデになりがちです。ただし——「減少は、宿命ではありません。」 たとえば奈義町(なぎちょう)は、手厚い子育て支援で全国に知られ、小さな町ながら人を惹きつける取り組みを続けています。県が毎月公表する人口統計では、時期によっては小規模な町でも増加に転じる自治体が見られます。「その町が、何を選び、何に力を入れるか」で、数字は動くのです。
数字を、自分の目で確かめる
大切なのは、「岡山は人口減」とひとくくりにせず、町ごとに理由を見ること。それは、移住や地域の未来を考えるときの、いちばん確かな出発点になります。OKA-LABOのおかやま地誌では、二十七市町村ぜんぶの人口・高齢化率・世帯数を、出典と年次つきで見られます。まずは、気になる町の数字をのぞいてみてください。