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円城寺 ― 行基の伝わる、吉備高原の天台古刹

吉備中央町の山あいにたたずむ天台宗の古刹、円城寺(えんじょうじ)。行基の開創と伝わり、しだれ桜や紅葉に彩られる円城ふるさと村の、静かな中心です。

円城寺 ― 吉備高原の天台古刹

岡山県のほぼ真ん中、吉備高原の高台に開けた町・吉備中央町。その山あいの集落「円城(えんじょう)」に、静かに時を重ねてきた寺があります。正式には本宮山観音院円城寺(ほんぐうざん かんのんいん えんじょうじ)といい、天台宗に属する古刹です。ご本尊は千手観音菩薩。周囲には昔ながらの門前の景観が残り、一帯は「円城ふるさと村」として親しまれています。

都市の喧騒からは遠く離れ、聞こえてくるのは風と鳥の声くらい。境内までの参道を上っていくと、木立の向こうに堂宇が姿をあらわします。派手さはありませんが、そのぶん、静けさそのものが土地の魅力になっている――そんな寺です。

円城寺の境内と本堂円城寺の境内と本堂
木立に囲まれた静かな境内。四季それぞれに表情が変わります。
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吉備高原の真ん中で、行基のむかしから受け継がれてきた祈りの場所。

歴史と由来

寺の起こりは奈良時代にさかのぼると伝えられます。霊亀元年(715年)、東大寺の建立にも力を尽くした名僧・行基(ぎょうき)が、本宮山の山頂近くに「正法寺(しょうほうじ)」を開いたのがはじまりとされます。その後、弘安5年(1282年)に伽藍を火災で失い、現在の地へ移ってから「円城寺」と寺号をあらためたと伝わります。

山号の「本宮山」は、寺がもともと開かれた山の名にちなむもの。長い歳月のあいだに場所も姿も変わりながら、祈りの場としての営みが今日まで受け継がれてきました。岡山県の中央部にあって、地域の信仰を静かに支えてきた古刹といえます。

見どころ

しだれ桜と紅葉

円城寺は四季の彩りでも知られています。春には境内のしだれ桜が枝いっぱいに花を垂らし、山里に淡いピンクの霞をかけます。秋にはモミジやイチョウが色づき、静かな堂宇を紅や黄に染め上げます。人出が集中する大きな名所とはひと味違う、落ち着いた花見・紅葉が楽しめるのが、この寺ならではの魅力です。

石造宝篋印塔(せきぞうほうきょういんとう)

境内には、岡山県の指定文化財となっている石造宝篋印塔があります。延文2年(1357年)の建立と伝わる古い石塔で、寺が歩んできた長い歴史を今に伝えるもの。石の風合いや刻まれた文様に、時代の重みが感じられます。

円城ふるさと村の門前景観

寺の周辺は、円城寺の門前町として栄えた面影を残す一帯。吉備高原らしいのどかな田園と、古い建物が織りなす景観が広がります。境内だけでなく、参道や集落をゆっくり歩いてみると、この土地が長く信仰とともにあったことが感じられます。

楽しみ方

円城寺は、静かにお参りをして、そのまま周囲の里山風景を歩くのがいちばんの過ごし方です。境内はそれほど広くはないので、拝観そのものは短い時間でひと回りできます。春の桜、秋の紅葉の時季をねらえば、写真好きにもうれしい被写体に出会えるはず。吉備高原の澄んだ空気の中を、のんびり深呼吸しながら歩いてみてください。

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実感メモ|おでかけの前に

円城寺は吉備高原の山あいにあり、公共交通での訪問はやや不便なため、車での来訪が便利です。参道まわりに駐車できるスペースがあり、拝観そのものは30分〜1時間ほど。桜のしだれる春と、紅葉の秋がとくにおすすめの季節です。

同じ吉備中央町には、渓谷美で知られる宇甘渓(うかんけい)や、桃太郎伝説とゆかりの深い吉備大神宮など、あわせて回れるスポットが点在しています。山あいの道を走りながら、吉備高原ならではののんびりした一日を組み立ててみてください。

※アクセス・行事・拝観は変わることがあります。おでかけ前に公式でご確認ください。

情報確認:2026年8月 ※拝観・アクセス・行事の日程などは変わることがあります。おでかけ前に、公式情報での最新のご確認をおすすめします。

読み終わったら、次は?

気になった場所から、岡山の旅をつなげてみてください。

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