旬の味 ・ 夏(7〜8月)
岡山の白桃
― 晴れの国が育てる夏の宝
“地形と気候”の目線でたどる、岡山の夏の果実
とろけるような果肉と、上品な甘さ。岡山の夏をあらわす果物といえば、やはり白桃です。なぜ岡山で、こんなに甘い桃が育つのでしょう。品種と旬、そして“土地”の理由をたどってみます。
旬の時期
おおむね七月上旬から八月が中心。早生から晩生へと品種がリレーし、初夏から盛夏にかけて次々と旬を迎えます。贈答の最盛期も夏です。
代表的な品種
岡山の白桃には多くの品種がありますが、なかでも清水白桃は“白桃の女王”とも呼ばれ、乳白色の美しい見た目となめらかな果肉で知られます。ほかにも白鳳系や、晩生の大玉種など、時期ごとに味わいが移ろいます。店頭では「いま、どの品種か」を聞いてみるのも楽しみのひとつです。
なぜ岡山で甘い桃が育つのか
ポイントは大きく三つ。雨が少なく日照が多い「晴れの国」の気候、昼と夜の寒暖差(昼にためた糖を夜に守る)、そして水はけのよい土地です。桃は水がたまる土地を嫌い、ほどよく乾いた斜面や丘陵地を好みます。
土地の目線白桃の名産地の多くは、平地ではなくゆるやかな丘陵地にあります。これは偶然ではありません。水はけのよさと日当たりを生むのは、その土地の傾き(地形)そのもの。桃のおいしさは、気候だけでなく“土地の形”が育てているのです。一粒の甘さの向こうに、岡山の大地の起伏が見えてきます。
おいしく味わうコツ
白桃はとてもデリケートです。常温で追熟させ、食べる数時間前に冷やすと、香りと甘みが立ちます。冷やしすぎは風味を損なうので注意を。皮が手でつるりとむける頃が、食べ頃のサインです。