Introduction
姫路と鳥取を結んだ、山越えの道
因幡街道は、播磨の姫路から美作の北東部を通り、志戸坂(しとさか)峠を越えて、因幡(鳥取)へ抜ける街道です。「智頭往来(ちずおうらい)」とも呼ばれ、古くから人と物が行き交い、江戸時代には鳥取藩の参勤交代の道としても使われました。〈岡山を貫いた街道〉で見た山陽道・出雲街道につづく、いわば三本目の街道です。
その峠越えの手前、美作市の山あいに開けたのが大原宿(おおはらじゅく)。街道ぞいには、平福(兵庫)・智頭(鳥取)と並んで、宿場の町並みが今もよく残っています。
Sponsored
Chapter 1 ・ 大原宿
大原宿 ― 水路の流れる、宿場の町並み
美作市大原の「古町(ふるまち)」は、岡山県の町並み保存地区に指定されています。街道の両側には水路が流れ、格子の家々や、参勤交代の大名が休んだ本陣・脇本陣の跡が残ります。かつて旅人や荷が行き交ったであろう一本道を歩くと、宿場のにぎわいの気配が、今もそこかしこに感じられます。近くには、剣豪・宮本武蔵ゆかりの里もあり、街道歩きとあわせて訪ねられます。
Chapter 2 ・ 三宿場
峠をはさむ、三つの宿場
因幡街道には、志戸坂峠をはさんで、今も町並みの残る三つの宿場が連なります。県境を越えて歩けば、同じ街道が育てた似た風景と、土地ごとの違いの両方が見えてきます。
| 宿場 | 場所 | 特徴 |
|---|---|---|
| 平福 | 兵庫県佐用町 | 川べりの陣屋町・宿場。川に面した土蔵の景観 |
| 大原宿 | 岡山県美作市 | 街道の両側に水路。本陣・脇本陣跡が残る(岡山県指定の町並み保存地区) |
| 智頭宿 | 鳥取県智頭町 | 峠を越えた因幡側の宿場。杉と林業の町 |
このうち岡山県内にあるのが大原宿。三宿場は、鳥取藩の参勤交代の一行が通った、同じ一本の道でつながっています。
And now ・ 土地を読む
なぜ、ここに街道が通ったのか
街道は、越えやすい峠と、休める平地を選んで通ります。因幡街道が美作の北東を抜けたのは、志戸坂峠が播磨と因幡を結ぶ通り道だったから。峠の手前に、宿場・大原が生まれたのも自然な流れでした。道すじは、その土地の山と谷が決めていたのです。三本の街道を一望するなら〈岡山を貫いた街道〉へ。土地の高低は〈地図で見る岡山〉、成り立ちは〈大地の物語〉で確かめられます。
⚠ 大原宿の古町は、今も人が暮らす生活の場です。住まいの敷地に立ち入らない、静かに歩く、駐車は決められた場所に――町並み散策のマナーを守ってお楽しみください。公開施設の開館時間などは、美作市の公的な最新情報をご確認ください。


