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Faults & landforms ・ 大地が動いた跡

岡山の活断層と地形
― 「晴れの国」でも、大地は動く

岡山は、地震の被害が比較的少ない土地とされてきました。それでも県北には活断層が走り、南の沖には南海トラフが控えています。「少ない」は「ない」ではありません。土地の成り立ちから、岡山の地震を静かに読んでみます。

県北を走る断層断層がつくった地形南海トラフと歴史地震
Introduction

動かない大地の、へりを走るもの

大地の物語〉で見たように、岡山の内陸に広がる吉備高原は、長いあいだ地殻変動の少なかった安定した陸塊です。だからこそ岡山は「晴れの国」——気候だけでなく、地面もおおむね穏やかな土地でした。

けれど、その安定した大地のへりや、県北の山あいには、いくつもの活断層が走っています。海に目を向ければ、四国の沖には南海トラフ。岡山の地震は、この「内陸の断層」と「海からの巨大地震」の、二つの顔で読むと見えてきます。

県 北 ・ 山あい 中央 ・ 吉備高原(安定した大地) 県 南 ・ 瀬戸内海 山崎断層帯 那岐山断層帯 南海トラフ(海からの巨大地震)

▲ 岡山の地震は「県北の内陸活断層」と「南沖の南海トラフ」の二つで読む(位置・形は模式図)。

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Chapter 1 ・ 内陸の断層

県北を走る ― 山崎断層帯と那岐山断層帯

岡山でとくに知られる活断層が、県東部から兵庫県へ抜ける山崎断層帯です。そのグループには、岡山側の那岐山断層帯も含まれます。地震調査研究推進本部の評価では、次のように整理されています(数値はおおよその目安・評価は更新されます)。

断層およその場所特徴想定規模/評価
那岐山断層帯鏡野町〜奈義町(県北・美作)ほぼ東西・約32km。北側が相対的に隆起M7.3程度/比較的高い評価(Aランク)
山崎断層帯 主部(北西部)美作市〜兵庫県側左横ずれが卓越M7.8程度/県周辺で最も注意される区間
山崎断層帯 主部(南東部)兵庫県側へ左横ずれM7.3程度
長者ヶ原-芳井断層 ほか県西(井原・芳井方面)ほか県内には他にも小規模な活断層が点在

ここで大事なのは、確率の大小よりも「岡山にも、動く可能性のある断層が確かにある」という事実です。那岐山断層帯は美作の山あいを東西に走り、その北側が長い時間をかけて少しずつ持ち上がってきました。断層は、遠い話ではなく、足元の地形の中にあります。

Chapter 2 ・ 断層地形

断層がつくった風景 ― まっすぐな山際を歩く

活断層は、地図の上の線であると同時に、目に見える地形でもあります。断層に沿って大地がずれ続けると、山と平地の境目が不自然なほどまっすぐになったり、川がある地点でカクンと折れ曲がったり、細長い谷が一直線に伸びたりします。地質の専門家は、こうした「地形の癖」から断層のありかを読み取ってきました。

県北の山あいを歩くと、まっすぐ連なる山の際(きわ)や、直線的な谷筋に出会うことがあります。それは風景であると同時に、大地が動いた記録でもあります。〈地図で見る岡山〉で地形の高低や治水地形分類図を重ねると、平地と山地の境目や旧河道が浮かび上がり、土地の凹凸を自分の目で確かめられます。

Chapter 3 ・ 海からの地震

海からの揺れ ― 南海トラフと、昭和南海地震の記憶

岡山にとって、内陸の断層と並ぶもう一つの地震が、四国の沖に横たわる南海トラフの巨大地震です。ここでは約百〜二百年の間隔で繰り返し巨大地震が起きてきました。政府の評価では、今後の発生可能性は高いとされています(M8〜9級/今後30年で60〜90%程度以上)。震源が四国沖から紀伊半島沖にかかる場合、岡山も強い揺れと、瀬戸内側の津波の影響を受ける可能性があります。

実際に、1946年(昭和21年)の昭和南海地震(M8.0)では、岡山県でも死者・負傷者が出て、住家の全壊も多数にのぼりました。とくに児島湾北岸や高梁川の下流域——つまり干拓や河川がつくった、やわらかい低地で被害が大きかったと記録されています。土地の成り立ちは、揺れの伝わり方にもつながっています。

地震岡山への影響(記録より)
868年播磨国地震(M7.1)県東部に近い内陸の大地震
1711年美作・伯耆の地震(M6.5〜6.8)県内で家屋の全壊が多数。記録に残る県内最大級の被害
1946年昭和南海地震(M8.0)県南で死者・全壊多数。児島湾北岸・高梁川下流で被害大
2000年鳥取県西部地震(M7.3)県北で強い揺れ
2016年鳥取県中部地震(M6.6)県北で揺れを観測

※ 規模(M)や被害は資料により幅があります。おおよその目安としてご覧ください。

And now ・ 土地を知り、備える

「少ない」は「ない」ではない

岡山が穏やかな土地であることは、確かです。けれど、県北には動く可能性のある断層があり、南の沖には南海トラフが控えています。土地の成り立ちを知ることは、「ここはどんな揺れ方をする土地か」を考える手がかりになります。やわらかい低地なのか、硬い高原なのか——それだけでも、備えの意味は変わってきます。

⚠ この記事は、岡山の土地を地形から読むための読み物です。地震の規模・確率・危険度の評価は更新され、資料によって幅があります。避難や耐震、危険の判断は、かならず気象庁・自治体・地震調査研究推進本部などの公的な最新情報でご確認ください。
🗿 先人たちは、災害の記憶を石碑や地蔵に刻んで伝えてきました。県内各地の記憶を歩く特集 石碑から岡山を知る ― 自然災害伝承碑 →、土地の凹凸は 地図で見る岡山 → でも確かめられます。
📊 この土地を、数字と歴史で深く知る 姉妹サイト〈おかやま地誌〉に、岡山の土地を市町村ごとに数字と歴史でまとめています。 おかやま地誌で見る →
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