ダム湖を望む
川をせき止めてできた人造湖――ダム湖は、山あいに思いがけず広がる青い水面が魅力です。高台から見下ろす眺めや、湖畔で過ごす静かな時間を楽しめる2か所をご紹介します。
三休公園(美咲町)― 旭川湖を見下ろす、桜とつつじの丘

旭川をせき止めてできた旭川湖(旭川ダム湖)を見下ろす、小高い山の上の公園。ふもとから山頂近くまで車で上がれるので、体力に自信がなくても高台からの眺めを気軽に楽しめます。眼下には山あいを縫うように水面が伸び、対岸の山々まで見渡せます。
春には園内と湖畔一帯を数千本ともいわれる桜が包み込み、湖の青とのコントラストが見事。初夏には斜面をつつじが染めます。天気のよい早朝には、湖面から立ちのぼる霧が雲海のように谷を埋めることもあります。
恩原湖(鏡野町)― 高原に広がる、星空の湖畔

鏡野町の北部、標高の高い恩原高原に横たわる恩原湖。かんがい用の恩原ダムによってできた人造湖で、まわりを静かな自然に囲まれています。日中は湖のまわりを散策したり、水辺でのんびり過ごしたり。澄んだ水と緑に、時間の流れがゆっくりに感じられます。
このエリアの魅力は、街あかりの少なさが生む星空。空気の澄んだ高原の夜、湖畔で見上げる空には驚くほどたくさんの星がまたたきます。車を横づけできるオートキャンプ場もあり、湖畔で一夜を過ごすのもおすすめです。
湖畔・水辺の名所
ダム湖だけが水辺の風景ではありません。山裾に湧く名水の池、庭園の水面に映る四季――。歩いてめぐりたい、澄んだ水辺の名所を2か所ご紹介します。
塩釜の冷泉(真庭市・蒜山)― 名水百選の湧水がつくる池

蒜山三座の真ん中、中蒜山の裾の谷間からこんこんと湧き出る天然水「塩釜の冷泉」。湧水はひょうたん型の小さな池をつくり、夏でも手が痛くなるほど冷たいことから「冷泉」と呼ばれています。昭和60年(1985年)には日本名水百選に認定されました。
ダム湖のような大きな水面ではありませんが、透き通った水と木立に囲まれた池は、まさに「静かな水辺」。夏に涼を求めて訪れるのにぴったりで、湧いたばかりの水のおいしさに驚かされます。
衆楽園(津山市)― 水面に映る、静かな大名庭園

津山市の中心部にある衆楽園は、かつての津山藩の大名庭園。園内には大きな池が広がり、そのまわりを歩いてめぐる「池泉回遊式」のつくりです。池に浮かぶ島や水辺の木々が、歩くたびに違った表情を見せてくれます。
後楽園に比べてぐっと静かで、落ち着いた雰囲気。春は桜や新緑、秋は紅葉が水面に映り込みます。歩く位置が変わると水鏡の景色も変わり、「歩いて味わう水辺」を静かに楽しめる庭です。
ダムと川辺の風景
ダムがつくるのは、湖ばかりではありません。堤体を見上げる下流の川辺にも、独特の風景があります。ダムのすぐ足元、川のほとりに湧く温泉をご紹介します。
湯原温泉(真庭市)― 湯原ダムを見上げる、川辺の露天

湯原温泉は、湯原ダムの下流、旭川沿いに広がる温泉地。ダム湖の湖畔ではなく、ダムの足元――堤体を見上げる川辺に湯が湧くのが特徴です。名物の露天「砂湯」は、川底から砂を噴きながら湧く源泉露天で、24時間無料で開放されています。
川のせせらぎを聞きながら、湯けむりの向こうにダムの堤体を見上げる――そんな開放的な露天は、なかなかありません。夜はダムと砂湯がライトアップされ、昼とはまた違った幻想的な雰囲気に包まれます。川辺は足元が滑りやすいので、歩く際はご注意を。
水辺めぐりを楽しむための工夫
ダム湖や湖畔は、時間帯や季節で表情が大きく変わります。より美しい水辺に出会うための、ちょっとしたコツをまとめました。
1季節を選ぶ
桜の春、深緑の夏、紅葉の秋。湖畔は季節で色ががらりと変わります。紅葉が水面に映る秋の午前は、とくに人気の時期です。
2朝夕の光をねらう
風のない早朝は水面が鏡のようになり、山や木々が映り込む「リフレクション」が撮れます。朝霧が谷を埋める雲海に出会えることも。
3水位・放流に注意
ダム湖は季節や運用で水位が大きく変わり、放流時は下流の水量が増えます。川辺に降りる際は、放流サイレンや掲示に必ず注意してください。
4歩きやすい靴で
湖畔や川辺は未舗装や濡れた石が多く、滑りやすい場所も。スニーカーや水辺用サンダルなど、足元がしっかりした靴が安心です。
5山あいは冷える
高原の湖や湧水地は、標高が高く夏でもひんやり。朝晩の冷え込みに備えて、羽織るものを一枚持っておくと快適です。
6ゴミは持ち帰る
飲用や生活用水に使われている水辺もあります。水を汚さず、ゴミは持ち帰って、静かな景色を次に訪れる人へつなぎましょう。