「長船」と書いて「おさふね」と読みます。難読地名のひとつですが、刀に詳しい人にとっては日本刀の代名詞ともいえる名前です。かつての備前国邑久郡長船(現在の瀬戸内市長船町長船)を拠点に、中世を通じて多くの名工が活躍し、その一派は「長船派(おさふねは)」と呼ばれました。
長船派は、鎌倉時代の古備前の流れをくむ刀工たちを祖とし、なかでも長光(ながみつ)の年紀作には文永十一年(1274年)にさかのぼるものが知られています。以後、長船は数百年にわたって刀づくりの中心地であり続けました。
地名が、そこで生まれた「もの」の名前そのものになる。それほどの土地だった。
「長船」という地名そのものの由来には諸説あり、はっきりとは分かっていません。けれども確かなのは、この土地が刀づくりに恵まれた「地の利」を持っていたということです。


