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土地を読む ・ 気候が育てた愛称

「晴れの国」おかやまの由来
― なぜ、岡山は晴れるのか

岡山の愛称「晴れの国」。じつはこれ、ただのイメージではなく、気象データに裏づけられた呼び名です。岡山は、なぜ雨が少なく、晴れの日が多いのか。その理由と、晴れが育てた産業や文化、そして「晴れゆえの弱点」まで——地名を読むシリーズの視点で、正直にまとめます。

「晴れの国おかやま」は、岡山県が観光やブランドで使う愛称です。でも、これはコピーライターが思いついた美しい言葉、というだけではありません。「降水量が1mmに満たない日」が全国でもとりわけ多い——そんな気象のデータが、この呼び名を支えています。まずは、なぜ岡山がこんなに晴れるのかを見てみましょう。

なぜ、岡山は晴れるのか ― 瀬戸内式気候

理由は、岡山の地形にあります。岡山は、北を中国山地、南を(四国の)讃岐山脈・四国山地にはさまれています。日本海側から来る冬の雪雲は中国山地でさえぎられ、太平洋側から来る夏の雨雲は四国の山でさえぎられる。ふたつの山地が“雨の傘”になって、あいだの瀬戸内には雨が届きにくいのです。これが瀬戸内式気候——温暖で、雨が少なく、晴れの日が多い。「晴れの国」は、この気候そのものを言い表した愛称です。

晴れが、育てたもの

たくさんの太陽と少ない雨は、岡山の産業と文化を形づくってきました。

白桃・マスカット ― 太陽が育てる果実

豊富な日照と少雨、水はけのよい土地が、甘い白桃やぶどうを育てました。「晴れの国」は、フルーツ王国の別名でもあります。

岡山グルメ・名産図鑑 →
綿

綿花と塩 ― 少雨だからできた産業

雨が少なく日照が強い土地は、綿花の栽培や塩田づくりに向きました。児島の繊維=ジーンズも、もとをたどれば「晴れ」が出発点。

土地が生んだ産業 →

星空 ― 晴れるから、よく見える

晴天が多いことは、星がよく見えるということ。井原市美星(びせい)は「星の郷」を掲げて光害を抑え、浅口市鴨方には天文台が置かれました。晴れの国は、星の国でもあります。

「晴れ」の、もうひとつの顔

いいことばかりではありません。雨が少ないということは、水が足りなくなりやすいということ。岡山にため池が多いのは、渇水に備えるためでもあります(→ 岡山のため池 ― 水をためる知恵)。そして——「晴れの国だから災害は少ない」という思い込みは危うい。2018年の西日本豪雨では、倉敷市真備で大きな水害が起きました。晴れの国にも、大雨は降る。「晴れ」を過信しないこともまた、この土地で暮らす知恵です。

その土地の水害・土砂災害の記憶は、先人が石に刻んだ自然災害伝承碑が教えてくれます。土地の履歴を読むことは、そのまま防災になります。土地の低い・高いは「岡山平野を歩く」地理院地図で確かめられます。
愛称は、土地の性格そのもの。 「晴れの国」という三文字を知ると、岡山の果物も、繊維も、星空も、ため池も、そして水害への向き合い方も——すべてが「晴れ(少雨・温暖)」という一本の気候から説明できます。地名や産業と同じように、愛称もまた、土地を読むための入口です。

あなたのまちの気候・数字

市町村ごとの気候・人口・土地の姿は、姉妹サイト〈おかやま地誌〉で。増える町・減る町は岡山の人口もどうぞ。

おかやま地誌(27市町村)→
これから書き足していく予定:岡山市の晴天日数の実データ/瀬戸内の塩田の歴史/ため池のはなし/美星の星空保護。資料が集まりしだい、順次追記します。
気候・降水量の記述は気象庁の平年値等の一般的な情報に基づきます。「晴れの国おかやま」は岡山県が用いる愛称です。晴天日数などの具体的な数値・順位は年や統計方法により変わります。防災は各自治体のハザードマップ・最新情報をご確認ください。