国民宿舎サンロード吉備路から西側を見ると、整備された山のように見える一角があります。それが作山古墳です。遠くから見てもわかるその大きさに、かつての勢力の大きさがうかがえます。周辺には備中国分寺をはじめ、備中国分尼寺跡・こうもり塚古墳・総社吉備路文化館・造山古墳など、多くの文化財が点在。作山古墳はふもとまで車で行けるので、子ども連れでも気軽に訪れることができます(無料駐車場約30台)。
全国第10位、岡山県下第2位の規模を誇る、全長282メートルの前方後円墳。築造は5世紀半ばで、吉備王国の豪族の墓とされ、大正10年(1921年)3月3日に国の史跡に指定されました。独立した小さな丘陵を加工した三段築成の前方後円墳で、各段には5千本以上の円筒埴輪が密接して立ち並び、斜面には角礫が葺かれていたと推測されています。天皇の墓とされていないため、実際に中に立ち入ることのできる古墳としては最大級。12月頃には下草刈りが行われ、その時期には古墳の形がよく分かります。これまで本格的な発掘調査は行われていませんが、盗掘穴が認められないことから、墳丘内部が現存していると推測されています。

駐車場から歩き始めると、目の前に古墳がそびえます。改めて見るとかなり大きく、冬場は草もないのでちょっとしたハイキング気分で登れます。前方後円墳の形をイメージしながら登ると、「ここにいるんだ」という実感が湧いてきて、普通の山登りとは違う、少し不思議な感覚を味わえました。子どもたちは元気いっぱいに走って山頂へ向かい、後円部の頂上に到着。さえぎる草もなく見晴らしが最高で、麓の街並み、そして備中国分寺の五重塔まで一望できました。
豆知識ですが、総社市教育委員会が行った墳丘測量調査により、これまで286メートルとされていた墳長が、実際は4メートル短い282メートルだったことが判明しています。この調査は1998年に着手され、断続的に進められた結果、2016年に最終報告書がまとまり、墳長は282メートルに修正されました(前方部の幅も174メートルから170メートルへ修正)。全国的に見ても第10位に相当し、県内では全長350メートルで全国第4位の岡山市新庄下・造山古墳に次ぐ規模。古墳の規模が豪族権力の反映または象徴であることを踏まえると、作山古墳に葬られたのは吉備の国に君臨した大首長であったと想像されます。
見どころ
実際に登れる巨大古墳
正円形の後円部をもつ畿内の大王墓や造山古墳と比べると、楕円形で前方部の前端が台形に突出するなど、やや不整な形態をもつのが作山古墳の特徴。長さと幅が不十分な自然丘陵をできるだけ手をかけずに長大に見せようとした結果と考えられており、畿内の大王墓のように二重・三重の堀もありません。そうした「完璧すぎない」構造にも、吉備の首長の実情がうかがえるようで興味深いところです。
岡山県古墳ランキング2位の規模
岡山県内の古墳の大きさランキングでは、1位・造山古墳(岡山市、350m)に次ぐ第2位。3位・両宮山古墳(赤磐市、206m)、4位・金蔵山古墳(岡山市、165m)と続きます。日本全国のランキングでも第10位に位置する、まぎれもない巨大古墳です。




アクセス
所在地:岡山県総社市三須
指定:国指定史跡(大正10年3月3日)
公開状況:自由・見学無料
駐車場:無料駐車場約30台
※発掘調査は行われていないため詳細不明な点も多くあります。散策の際は史跡保護にご協力ください。
情報確認:2026年8月 ※上記は施設の基本情報です(変わることがあります)。体験の内容は訪問時点の記録です。最新は公式情報でご確認ください。



