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Literature & the land

岡山の文学史 ― 文学から土地を読む

作家が生まれた土地、作品に描かれた風景。文学は、その土地の空気を言葉に写しとります。ここでは作家を年表で並べるのではなく、「どこで生まれ、どの土地を書いたか」から岡山を読み解きます。名前の下の「ゆかりの地」からは、その土地の姿(おかやま地誌)へ。

The current

岡山文学の流れ

古代の吉備は、早くから都と行き来のある文化の地でした。文学の土壌が豊かに花開くのは近代。正宗白鳥・内田百閒・坪田譲治ら、岡山は多くの文人を輩出します。詩では薄田泣菫が浪漫派を代表しました。

戦後には、柴田錬三郎が大衆文学で一時代を築き、疎開作家の横溝正史が岡山の風土から名探偵・金田一耕助を生み出しました。そして現代、あさのあつこ小川洋子が、それぞれの筆で岡山につらなる物語を書き続けています。

Kindai

近代 ― 岡山が生んだ文人たち

薄田泣菫すすきだ きゅうきん
倉敷市1877–1945詩人・随筆家

島崎藤村らに続く浪漫派、のち象徴詩を代表する詩人。晩年は随筆へ。干拓の町・連島に生まれた。

正宗白鳥まさむね はくちょう
備前市1879–1962小説家・評論家

自然主義を代表する作家。備前・穂浪の海辺に育ち、鋭い批評眼で知られた。

内田百閒うちだ ひゃっけん
岡山市1889–1971作家・随筆家

夏目漱石門下。飄々とした名文『阿房列車』。故郷・岡山の記憶も随筆に書いた。

坪田譲治つぼた じょうじ
岡山市1890–1982児童文学者

「善太と三平」で知られる。岡山の農村に生きる子どもの世界を描き続けた。

木山捷平きやま しょうへい
笠岡市1904–1968小説家・詩人

郷里の風土に根ざした、詩情とユーモアをたたえた作品を残した。

Sengo

戦後 ― 大衆文学と、金田一の誕生

柴田錬三郎しばた れんざぶろう
備前市1917–1978小説家

「眠狂四郎」で一世を風靡した剣豪小説の名手。直木賞作家。備前の生まれ。

横溝正史(ゆかり)よこみぞ せいし
倉敷市1902–1981推理作家

戦中戦後の3年を真備で過ごし、岡山の風土から金田一耕助を生んだ。→ 横溝正史の岡山で詳しく。

Gendai

現代

あさのあつこ
美作市1954–小説家

県北・美作の出身。少年野球を描いた『バッテリー』で知られる(映画は津山でロケ)。

小川洋子
岡山市1962–小説家

『妊娠カレンダー』で芥川賞、『博士の愛した数式』。静謐で端正な世界を描く。

✒️ 作品の舞台を歩くならロケ地ガイド横溝正史の岡山、人物としては岡山の偉人、言葉そのものは岡山の方言もどうぞ。土地の背景はおかやま地誌で。
※ 岡山県にゆかりの深い作家を選び、出身地・生没年・代表作を公的資料等で確認して記しています。「岡山出身」と「岡山を舞台/ゆかり」は区別し、諸説あるものはその旨を添えています。