岡山県の北部、津山市の奥まった山あい・阿波(あば)の地に、布滝(のんだき)はあります。「布滝」と書いて「のんだき」と読むこの滝は、県北を代表する名瀑のひとつ。深い緑にかこまれた谷を進んでいくと、岩壁を斜めにすべり落ちる、細く長い水の流れが現れます。
いちばんの特徴は、その落ち方です。多くの滝が水を一気に落とすのに対して、布滝は玄武岩の岩肌を、水が薄くのばされるようにして流れていきます。そのさまが、まさに真っ白な布を一枚さらしたよう。派手さよりも、静かで涼やかな美しさが魅力の滝です。
岩肌を斜めに流れ落ちる布滝の水の筋名前の由来|玄武岩をすべる白い流れ
布滝の岩肌は、玄武岩が柱のようにそろって割れた「柱状節理(ちゅうじょうせつり)」でできています。角ばった岩の面を、水がまっすぐ落ちるのではなく斜めに広がって流れるため、まるで布地を垂らしたような、幅のある白い流れになります。この見た目こそが「布滝(のんだき)」という名の由来です。
滝は上下に続いていて、いちばん上の流れから合わせると、その落差はおよそ50mにもなるといわれます。ひとつの豪快な滝というより、いくつもの段を重ねながら谷を下っていく、繊細な滝といったたたずまいです。
四季の景色 ― 新緑と紅葉
布滝がもっとも輝くのは、木々の色が変わる季節です。春から初夏の新緑のころは、あざやかな緑と白い水の対比が清々しく、夏はまわりの空気がひんやりとして格好の避暑地に。そして秋、谷全体が赤や黄に染まる紅葉の時期には、白い滝が錦の中に浮かび上がり、県北らしい山の情景を存分に味わえます。同じ滝でも、訪れる季節によってまるで違う表情に出会えます。
阿波森林公園と周辺の滝
布滝は、阿波森林公園にほど近い一帯にあり、周辺には白髪滝や大滝など、ほかにも滝が点在しています。ひとつの滝を目当てに来ても、谷沿いを歩けばいくつもの流れに出会える――そんな「滝めぐり」が楽しめるのがこの地域のうれしいところ。深い森と沢の音にかこまれた、静かな時間が流れています。
実感メモ
布滝は山あいにあるため、車で向かうのが基本です。滝の近くには駐車スペースがあり、そこから遊歩道を少し歩いて滝を目指します。足場は自然のままの山道になる区間があるので、サンダルよりも歩きやすい靴・スニーカーがおすすめ。沢沿いは濡れて滑りやすいこともあるため、子ども連れのときは手をつないで、無理をしないのが安心です。
滝そのものの見学は短時間で回れますが、山道の往復を含めて時間に余裕をもって。周辺の滝もあわせると、半日ほどの滝めぐりになります。県北エリアの奥津渓や岩井滝と組み合わせれば、水と緑をたどる一日のドライブコースが作れます。山あいのため気温が下がりやすく、冬季は道路が通行できなくなることもあるので、寒い時期は事前の確認を。
※開館時間・料金・アクセス等は変わることがあります。おでかけ前に公式でご確認ください。
現在の情報|アクセス・見学
上の本文はスポットの紹介です。こちらは基本情報(変わることがあります)。
所在地:岡山県津山市阿波(阿波森林公園周辺)
見学:見学自由(屋外の滝)。駐車場から遊歩道を歩いて滝へ。
アクセス:車での来訪が基本。山道・冬季通行止めの区間があるため、道路状況は事前にご確認ください。
情報確認:2026年8月 ※アクセス・道路状況・通行止めの時期などは変わることがあります。おでかけ前に、公式情報での最新のご確認をおすすめします。



