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Hot Spring Geology ・ 火山のない県の名湯

岡山の温泉はなぜ湧く
― 火山のない県の、名湯のなりたち

岡山県には、活火山がありません。それなのに、湯郷・湯原・奥津という「美作三湯」の名湯がこんこんと湧いています。火山がないのに、なぜお湯が湧くのでしょう。地下の熱、深くを巡る水、そして断層という通り道――温泉のなりたちを、土地の目でやさしくたどってみます。

美作三湯火山のない県地下の熱と断層
Introduction

火山がないのに、名湯がある

温泉というと、火山のふもとを思い浮かべる方が多いかもしれません。たしかに、多くの温泉は火山の熱で生まれます。ところが岡山県には、噴火するような活火山はありません。それでも古くから名湯が湧いてきた――ここに、岡山の温泉のおもしろさがあります。カギは「県のすぐ北にひかえる山々」と、「地下を巡る水」、そして「地下の割れ目」です。順に見ていきましょう。※温泉の成因には諸説あり、以下はやさしくかみくだいた説明です。

地下深く=熱い(地熱・地下の熱) 雨がしみ込む 深部で温められる 断層(割れ目)=通り道 ♨ 温泉が湧く 水がしみ込み、温められ、割れ目を上って湧く(模式図・諸説あり)
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Why ・ なぜ湧くのか

「熱」と「水」と「割れ目」がそろう

温泉が生まれるには、大きく三つの条件がいります。①熱源――岡山県内に火山はありませんが、県北のすぐ向こう(鳥取側)には大山(だいせん)や蒜山(ひるぜん)といった火山があります。三湯のうち湯原などは、こうした近くの火山の地下にある熱が関わっていると考えられています。加えて、地下は深くなるほど温かくなる(地熱)性質もあります。②水――山に降った雨や雪どけ水が、長い時間をかけて地下深くへしみ込み、たっぷりの地下水になります。③通り道――温められた水が地表へ戻るには、地下の断層(割れ目)が近道になります。この三つがそろった場所で、温泉は湧くのです。

⚠ 温泉の成因やしくみは研究の進む分野で、場所ごとに事情が異なり諸説あります。このページは一般的な考え方をやさしく紹介するものです。泉質・効能・源泉の状況は、各温泉地の公的な情報をご確認ください。
Misasa 3 ・ 美作三湯

三つの名湯、それぞれの個性

同じ県北に湧きながら、三湯の湯はそれぞれ表情が違います。地下のなりたちや通ってきた岩石が違えば、お湯の性質も変わるのです。

温泉泉質(目安)特徴
湯原温泉アルカリ性単純温泉豊富な自噴湯。川辺の露天風呂「砂湯」で知られる(真庭・旭川上流)
湯郷温泉ナトリウム・カルシウム塩化物泉円仁(慈覚大師)が白鷺に導かれ見つけたと伝わる古湯(美作)
奥津温泉アルカリ性単純温泉「美人の湯」と親しまれる、渓谷沿いの静かな湯(鏡野・吉井川上流)
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温泉は、川の上流に湧いている

地図を見ると、三湯はいずれも中国山地の谷あい――しかも大きな川の上流にあります。湯原は旭川の、奥津は吉井川の上流。これは偶然ではありません。川がつくる深い谷は、地下の岩を切り込み、断層や割れ目が地表に近づく場所でもあるからです。温泉と川と地形は、地下でつながっています。大地の成り立ちは〈大地の物語〉、動く大地は〈活断層と地形〉でどうぞ。泉質・効能で選ぶなら〈岡山の温泉 効能ガイド〉へ。

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