美作(みまさか)市にある湯郷(ゆのごう)温泉は、湯原・奥津とならぶ美作三湯のひとつ。開湯は古く、長く湯治の地として親しまれてきました。三湯のなかでは最も規模が大きく、川沿いに宿が立ちならぶ、にぎやかな温泉街が広がっています。
この温泉地の魅力は、なんといっても家族旅行の拠点にしやすいこと。旅館やホテルの選択肢が多く、日帰りで入れる立ち寄り湯や足湯もそろっています。さらに周辺には子ども連れで楽しめる施設も点在していて、「温泉に泊まって、翌日は近くで遊ぶ」という組み立てがしやすい場所です。
湯郷温泉に2007年10月8日にオープンした「湯の郷足湯(ふれあいの湯)」は、美作地方の巨人伝説、京まで三歩で行き交わったという「三歩太郎(さんぶたろう)」の足型をモチーフにしたユニークな形をした無料の足湯です。湯温38度、泉質は塩化ナトリウム、カルシウムを含む低張性弱アルカリ泉。母が残した五色の玉をなめて育った太郎が、京の大飢饉の際に美作の米や野菜を三歩で運んで人々を助けたという民話が伝わっています。
湯郷温泉の高台には「湯神社」が鎮座しています。国造りの神「大己貴命」、医薬の神「少名彦命」、大自然の調和を司る「大山祇命」、縁結び・交通安全の神「誉田別命」の4柱を合祀する珍しい神社で、2009年秋に385年ぶりに改築されました。藤、紅葉など四季折々の美しい風景が楽しめ、延命長寿・良縁福寿・厄難消除のご利益があるとされています。3月には温泉街あげてのイベント「湯郷おひな祭り」が開催され、湯郷地域交流センターや旅館・店舗など約35軒にひな飾りが展示されるほか、湯神社参道には「階段びな」が並び、街の雰囲気がとても華やかになります。
湯神社の参道温泉街には「あの日のおもちゃ箱 昭和館」というレトロなスポットもあります。もとは旅館だった建物を改築した施設で、ブリキのおもちゃや蓄音機、マンガなど、市内で絵画教室を開く竹中信清さんが約30年にわたり収集した品々が多数展示されています。国内で動く最古級の自動販売機も展示され、昭和三十年頃の小学校の教室や台所も再現。書籍コーナーでは大正・昭和のマンガが読め、ちゃぶ台の部屋ではお茶漬けや卵かけご飯などもいただけます。また「湯郷鷺温泉」は、円仁法師がこの地で鷺が足の傷を癒すのを見て発見したと伝わる温泉です。
見どころ・楽しみ方
三歩太郎の足湯
民話にちなんだユニークな形の無料足湯。気軽に立ち寄れ、ドライブの途中のひと休みにもぴったりです。
湯神社とおひな祭り
4柱の神様を合祀する湯神社は、藤や紅葉など四季折々の風景が魅力。3月の「湯郷おひな祭り」では温泉街全体がひな飾りで彩られます。
昭和館と湯郷鷺温泉
昭和のレトロな品々を集めた昭和館や、円仁法師ゆかりの湯郷鷺温泉など、湯めぐり以外の楽しみも豊富です。
湯郷温泉街 散策コース
湯郷温泉は、温泉街そのものを歩いて楽しめるのも魅力。実際に歩いたコース順にスポットを紹介します。
①湯郷温泉観光案内所からスタート
散策の起点は、まず観光案内所へ。車も停めやすく、最新のパンフレットが揃っているほか、係の方に見どころを聞くこともできます。散策に出る前に立ち寄っておくと安心です。「湯郷おひな祭り」の時期には、案内所の中にも年代物のひな人形が飾られていました。
②KATSURAGI(日帰り温泉施設)
案内所から歩いてすぐ、古い建物をリノベーションした日帰り温泉施設「KATSURAGI」が目を引きます。昔ながらの建物の温かみを活かした造りで、温泉街を歩いていると、こうしたリノベーション建築があちこちに見つかるのも湯郷の楽しみのひとつです。
③三歩太郎の足湯へ
案内所から小道を進むと、三歩太郎の足型をした無料の足湯へ。裏道を抜けて辿り着くルートは、地元の生活道といった雰囲気で、表通りとはまた違った温泉街の表情が見られます。
④昭和館の前を通って湯神社へ
足湯から昭和館の前を抜け、石段を上って湯神社へ向かいます。おひな祭りの時期は、この石段にも「階段びな」がずらりと並び、境内には手作りのひな人形が飾られるなど、街ぐるみでお祭りを盛り上げている様子が伝わってきます。






















アクセス
湯郷温泉観光協会:〒707-0062 岡山県美作市湯郷323-2(Tel. 0868-72-0374)。営業時間9:00〜18:00。中国自動車道美作ICから車で10分、姫新線林野駅から車で10分。
湯神社:美作市湯郷664(Tel. 0868-72-0279)。JR姫新線林野駅より岡山行バス10分、湯郷上下車徒歩約4分。中国自動車道美作ICより車約10分。
湯の郷昭和館:〒707-0062 岡山県美作市湯郷557-1。営業時間9:30〜18:00、入場料 大人400円・小学生以上こども200円、休館日 毎週水曜日(祝日の場合は翌日)。
湯郷鷺温泉:Tel. 0868-72-0279(湯郷鷺温泉館)。営業時間8:00〜22:00(最終受付21:20)、料金 大人600円・小人400円、定休日 第2水曜日(8月のみ第1水曜日)。
※宿泊・日帰り入浴の料金や受付時間、周辺施設の情報は変わることがあります。おでかけ前に、公式情報での最新のご確認をおすすめします。

